残り70日で社会に放たれるホモサピエンスのはなし

社会に放たれるまで残り70日(1月23日時点).一度は本気で研究者を目指したホモサピエンスが,専門就職を捨てた理由とは...HR,Technologyなど異色の組み合わせでお送りします

【余談】「10」言ったら負けゲームの必勝法

こんばんは、サピエンスです

今日は、「10」言ったら負けゲームの必勝法についてのはなし。

 

「10」を言ったら負けゲームを聞いたことありますか?

ルールは簡単、「一度に言って良い数は3つまで」以上です。それでは、急に対戦を申し込まれた場合、あなたはどう進めますか。

 

このゲームの必勝パターンをお教えする前に、以下の対戦結果を見てみてください。まずは先攻をとれた場合から…

「自分」(相手)

「1」(2、3)「4、5」(6、7、8)「9」(10)

次に先攻を取れなかった場合…

(1)「2」(3、4)「5」(6、7)「8、9」(10)

 

どうでしょうか?必勝パターンを見いだせましたか?必勝パターンは「1 or 5 or 9」で自分のターンを終えることです。1がとれない場合でも5をとれれば勝てます。

 

言われてみると簡単でしたか?これであなたが、もしも「10」を言ったら負けゲームの対戦を急に申し込まれても、勝てる確率は大きく上がったと思います。

 

ここから少し真面目に考えてみたいと思います。どうでしょうか。こんな必勝法はよくよく考えれば、思い付くはずです。なのになぜ人はこのゲームの必勝法を考えずに負けてしまうことがあるのか。

色々な仮説が立てられますが、その一つは「人間はそこまで合理的じゃない」ということだと思います。なんとなく選ぶこともあります。この記事、ゲーム理論の本を読んでいたときに書いてあった内容を元に書きました。上記必勝法も、ゲーム理論のバックワードインダクションを知っていれば、遡って見つけることができます。

古典的な「経済学」では、簡単に言うと人間は合理的であると仮定して理論が組み立てられました。世の中を見渡すと合理性では説明できないビジネスチャンスがまだあるのかもしれません。

【モノから体験へ】音楽業界に見る「価値」の変化

こんにちは、サピエンスです。

 

今日は、音楽業界に見る価値の変化についてのはなし。

 

 

はじめに

 今回でほぼ日投稿4回目です。先日のプロセスフローダイヤグラムPFD)の記事で、バンドマンがライブ出演を決めるときの流れを出しました。ほかにいい例が思いつかなかったというのもありますが笑、私が音楽・バンドが好きだという理由で選んだものでした。

hello-w-orld.hatenablog.com

音楽は古くから存在していることも、人や社会とのつながりが深いものだと思います。また、音楽業界というのは、実は社会の利権構造を把握するのに最適な業界だったりします。今日は、近年の音楽業界の変化を見ることで、時代・技術進歩とともに変わってきた「価値」についてみていきたいと思います。

【注意:私は経済学や哲学の専門家ではないので、多少荒い部分がありますが、お付き合いくだされば幸いです。指摘コメント大募集です。】

 

 CDは売れないのにライブチケットは売れる?価値はモノから体験へ

 結論から言えば音楽の価値の中心は、「物理的な製品(モノ)」から「体験」へと移り変わってきました。わかりやすいところで言えば、少し前から「最近はCDが売れなくなってきた」などと言っているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。以下のグラフは、日本レコード協会が発表しているCD生産数量の推移です。誰がどう見てもわかる右肩下がりですね。詳しいことはわかりませんが、2012年に邦盤の生産数量が増加したのは、AKBグループ全盛期(前田敦子の卒業が2012年8月だそうです。)の影響ではないでしょうか。CDの売り上げランキング上位が全部AKB!みたいな時代もありましたが、CDの生産数量は年々減少していますね。

 

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CD生産量の推移

https://www.riaj.or.jp/f/pdf/issue/industry/RIAJ2019.pdf

 CDが売れていない一方で、ライブやエンタテイメント市場規模は2011年から2018年まで順調に伸びています。

 

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ライブ・エンタテイメント市場規模推移

 https://president.jp/articles/-/29423

 このことからわかるように、人々は音楽に関心がなくなったのではなく、CDを買わなくなっただけのようです。CDに握手券を同封してCDを売る「握手券ビジネス」と揶揄されたAKBグループの戦略も「会いに行く」体験を売るビジネスであったと言われれば時代にあったビジネスだったのかもしれません。むしろCDは収益化のための物販のようなポジションだったのかもしれません。2013年当時は音楽配信サービスも今ほど主流ではありませんでしたが、どうしてCDは売れなくなったのでしょうか。

 

技術・製品と音楽

 音楽は、人が生演奏で歌うところから始まりました。その後、技術の進歩によってレコードが誕生して家で音楽が聴けるようになりました。カセットテープ、CDと記憶する形が変わり、再生装置が小型化され、外でも音楽が聴けるようになりました。ウォークマンによって大量の音楽を持ち運べるようになりました。そして、今では音楽配信サービスを利用すれば、買わずに音楽がいくらでも聞けるようになりました

 音楽業界のマクロな変化を見れば、その裏には技術革新があります。昔は歌手が歌いと演奏者が奏でるものが音楽であり、それはアナログな情報でした。技術革新によって、音楽をデジタルな情報として記憶できるようになりました。法律やモラルは置いておいて、現在ではコピーすれば音楽(楽曲)はいくらでも増やすことができます。それを配るにしても、CDのようなモノを作る必要がないのでコストはほとんどかかりません。古典的な話で言えば、大量に供給されるものの価値は下がります。誤解を恐れずに言えば、インターネットやコンピュータの発展に伴って、音楽(楽曲)という情報自体には昔ほどの価値はなくなったのかもしれません。コレクターやコアなファンでない限り、購入者特典の無いCDを買わなくなって当然なのかもしれません。

 一方で先述のように、ライブやステージといった体験は市場規模が拡大しています。ライブはCDに比べてチケット代も高いし、会場まで移動する経済的、時間的コストもかかります。それでも、人がライブに行くのは「行くことでしか味わえない高揚感臨場感価値を感じているから」なのではないでしょうか。こうした流れで見れば、VRライブはライブ・コンサートというアナログな体験デジタルな体験に換える技術と捉えられると思います。

 

インフルエンサーという新しい形

 音楽業界に近いエンタメ業界に誕生したyoutuberのようなインフルエンサーと呼ばれる人たちも似た領域にいます。彼らはグッズ販売をすることはありますが、動画や写真、ライブを通して「楽しい・面白い」という体験を与えています。そして、インフルエンサーの影響力に宣伝効果を期待した企業から仕事の依頼が来るようになり、それを収益源とする。コアなファンが付けばライブや物販で収益を上げる。こうして「体験」を軸にして稼いでいます。

 お金がなくてもやってみることでお金が集まり、挑戦できる選択肢が増えるということも注目すべき点だと思います。最初はお金がなくて企画もアイディアベースですが、徐々にファンが付きマネタイズできれば、経済的な要因で挑戦できなかったことも選択肢に入ってきます。できることからやってみることで乗り越えられることも増えてきたように感じます。

 こうした情報化社会の前までは、モノを売ることで稼ぎを得ることが一般的でした。サービス業やエンタメ系の職業もありましたが、「プロ」という肩書がなくては成功しにくい職業であったことは間違いありません。現在はだれでも表現する場が与えられ、テレビ局にもなれるし、ミュージシャンにもなれるし、芸人にだってなれる世の中です。

 

 

そして、その先…

 以上のように、「価値」はモノから体験へと変化してきました。体験を作る・与える表現者が今の時代で通用する価値を作れるひとなのではないでしょうか。モノは有形物なので物理的に送る必要があります。しかし、体験であれば、ライブなどリアルなもの以外にyoutubeの動画やVRなど情報として発信することができます。この記事では、私なりに考えるこの先の価値の話もしてみたいと思います。

 体験という価値を評価する「価値感」というものが、国家の壁を越えて全世界的に統一されていくのではないかと思います。さらに、この価値観に基づいて先進国や後進国など経済圏に関係なく同一の価値をもつ仮想通貨の役割も重要になってくると思います。

今の価値は国家(経済圏)の壁がある

 ここまで話してきた体験の「価値」は、ブログ記事であれば「PV」、youtubeであれば再生回数などの数字で間接的に図ることができます。お金を得るには、その価値をお金に換えるマネタイズが必要になります。

 現在であれば、価値がお金に代わるとき「法定通貨」になるのが一般的です。日本でいえば、日本銀行が発行している銀行券であり、その価値は日本という国家の信用に裏付けされています。つまり、ものの価値となるものさしは、日本という国家があって成り立っていると言えます。わかりやすく言えば、日本では水500mLが100円で買えますが、タイでは30円あれば買えます。ライブチケットを3000円で売ろうとしたときに、相対的には日本は500mLの水30本分、タイでは100本分の価値があります。価値の対価として支払う「お金」は国家というドメインで価値観が決まります。

 

体験という価値への対価に仮想通貨が使われた場合

 ここでもしも、価値の対価として仮想通貨使われた場合にどうなるか考えたいと思います。仮想通貨に関しての詳しい話は後日別記事にしたいと思いますが、仮想通貨の価値には「国家」の信用は関係ありません。今後、Facebookのリブラのように世界的にユーザーを持つ企業が仮想通貨を発行した場合、その仮想通貨の価値は国家によらず一定です(現在は、取引の利便性や様々な理由から各国の法定通貨とのトレードが行われています。)また、仮想通貨の中には国際送金の手数料が数円で済むものもあります法定通貨であれば日本国内のメガバンク間でも数百円しますよね)

 法定通貨に紐づかない仮想通貨の価値観形成が全世界的に行われた場合、発展途上国と先進国で価値観の変わらない通貨となる可能性があります。

 つまり、どういうことかという例をはなします。youtubeが独自の仮想通貨「Y」を発行して運用に成功し、独自の通貨として価値を形成できたとします(簡単化のために、Youtubeで動画再生一回につき1Yとします)後進国でめちゃくちゃいい歌を作るアーティストがyoutube上に動画投稿をしました。自然言語処理の技術が向上し、動画再生と同時に翻訳ができるようになったとします(言語の壁がなくなる)。とってもいい曲なので、全世界的に再生されて100万回再生されて100万Yをゲットしました。米国から100万Yが国際送金されて損失なく手元に入ります(経済圏の壁がなくなる)。このyoutuberは自国内で路上ライブをするよりも多くの収入を得ることができ、その報酬として得た通貨Yの価値はどの国でも一定です。どうでしょうか?国籍や資本によらず、機会が均等に配分されているような気がしませんか?

 

おわりに

 インドのカースト制はITによって大きく変わりました。ITという職業がカースト制の前提に存在していないからです。ITによって多くのインド人がチャンスを手にすることができました。生まれや資本による格差はかなり小さくなっていると思います。

 国家間の資本・機会の偏りも個人レベルでは、上記のような世界的な価値の統一化とそれを経済活動につなげる仮想通貨によって大きく変化する可能性はあると思います。専門家ではないので節々に穴がありますが、価値の中心が体験(無形物)になって全世界に発信可能になると、その価値感と対価も全世界で共通化されていくのでは?という私の考えが伝われば嬉しいです。皆さんは、情報化社会や技術革新によって変化した価値についてどう感じますか?個人的には、VRが普及してもアナログなライブに通いたいです笑 ここまで読んでくださりありがとうございました。

【経験談】理系学生におすすめ?ベンチャー企業長期インターン体験記

こんばんは

サピエンスです。

今日は、ベンチャー企業での長期インターンのはなし。

 

 私は大学院1年生のころ、HRサービス開発ベンチャーで長期インターンをしていました。「結局バイトと何が違うの?」「どうやって始めたの?」といった疑問解消の助けになる(?)話をしていきたいと思います。

 

ベンチャー長期インターンを始めたきっかけ

 当時私は、大学院でティーチングアシスタント(TA)の仕事、塾講師のアルバイトをしていました。これだけで月収入は約7万円でした。そのため、特に金銭的に困っているということはなかったです。私がベンチャー企業での長期インターンシップを始めたのは「就職活動を通して、自分のビジネス経験の無さを痛感したこと」がきっかけでした。

 私は、世間一般からはやや早めの就職活動を行っていました。初めに受けていた業界はメーカーでしたが、様々な経験を経てメーカー業界への適正の無さを痛感して文系就職を考え始めていました。(このあたりの話は、後日記事にします。)そして、文系就職を目の前にして、自分のスキル・知識の偏りに気が付きました。AIやBlockchainなどテクノロジー系の先端情報は人並み以上には理解していましたが、マーケティングコンサルティング、金融などビジネス一般に必要な知識は全く持っていませんでした。また、本を読めば知識はつくかもしれませんが、理系としての経験上、実務の経験がなければ全く通用しないと直感しました。そして、学生の私でもビジネスの経験を積む方法を探し始めました。

 周囲の友人に「ベンチャー企業での長期インターンシップ」があるらしいという話を聞き、興味を持ちました。そんなとき、私が何となく利用していた大学生・大学院生向けの就活支援サービスを開発しているベンチャー企業から一度オフィスに来てみないかと誘いをもらいました。オフィスに行き、企業の説明やインターン生と交流し、後日インターンをさせてもらいたいと連絡しました。

実際の業務内容

 私が所属していたベンチャー企業では、理系の専門性を生かしてサービス開発者としてインターンをすることも可能でした。しかし、私は前述のようにビジネス経験を積むことがインターンシップの目的としていたため、ビジネスサイドへ進みました。実際の業務内容は以下のものでした。

営業

 ここでいう営業とは、「サービス利用者」を増やすための営業活動です。実際に、大学や大学院を回り、サービスを紹介して気に入ってもらえれば登録してもらうということをしていました。この際に、社内の別プロジェクトなどでインタビュー調査の依頼があれば、並行して実施していました。

イベント企画

 理系学生向けに「就職活動の進め方」や「専門外のキャリアパス設計」などテーマを絞ってイベントを開催していました。社内のスペースを利用して開催することもありましたが、場所の手配から、当日の資料作成、宣伝まですべて3人程度で取り組んでいました。ゲストを招くことになれば、適任なインターン生や社員を巻き込んでイベントを運営していくこともありました。当日の司会進行、満足度の調査、次回への反省などイベント開催を通して、様々な経験を積むことができました。

システム開発

 前述のように私はビジネスサイドのインターンシップに参加していました。盲点でしたが、ビジネスサイドには文系出身者や理系学部生などが多く、理系院生であることが武器になったのです。営業活動が「可処分時間×時間当たりの訪問可能件数」に制約されいるにもかかわらず、運任せで訪問していてはターゲット層への接触回数がいまいち伸びないと分かれば、改善のためのシステム開発を行いました。実際には、営業活動で得られる「不在情報」や「コアユーザー・理念共感者の存在」などアナログ情報を一元管理するシステムを作製しました。こうした情報をもとに目星をつけて回れば効率は上がることも実感できました。

長期インターンシップを経験して感じたこと

アルバイトとの違い

 インターンシップは「インターンバイト」という言葉があるように、ベンチャー企業でする「アルバイト」程度に認識している人も多いと思います。働いてお金がもらえるという点では間違いではないのかもしれませんが、最大の違いは「求められる役割」だと思います。アルバイトでは、レストランで「キッチン」と「ホール」が分業されているように、基本的に任される役割は変わりません。その場で状況判断し、動くということもありますが、大きく見てルーチンワークであることには変わりないと思います。

 しかし、インターンシップでは、雇用形態こそ正規雇用ではないものの、求められる役割は「社員」と同じです。やりたいことやできることに合わせてプロジェクトにアサイン、仕事を分配されて取り組みます。そのため、先週と今週では全く仕事が違うということも多くあります。そして、当事者として意見が求められます。MTGに参加してディスカッションすることもあれば、イベントでユーザーの前に立って「その会社の人」として話すこともあります。

長期インターンシップを経験して一番変わったと思うこと

 こうした中で得られる経験や知識は「本物」だと私は思います。業務を通して自分で考えたことを自分で実践して「PDCA」や「OODA」といった仮説検証サイクルを回すことができます。私も足で稼ぐ営業の非効率さを改善したいと思い「学会で営業活動したらどうか」と提案したことがあります。私のインターン先では、「理系学生の専門性と企業の理系人材ニーズをマッチさせる」ことも理念としていたので、こうした提案も受け入れてもらうことができました。

 提案活動を日常的に行っていると、どう説明すれば「それはやるべきだ!」と上層部やメンバーに言ってもらえるかと考えるようになりました。そして、現状を説明するには、思考を整理するには、わかりやすい筋道で話をするにはと、フレームワークなどを学び始めました。

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気が付けば「これがしたいなら、まずはこうするべきだな」と自然に考えられるようになっていました。「企画書 書き方」でググっていた頃から考えれば大きな進歩だと思います笑

長期インターンシップのメリット・デメリット

 長期インターンシップを経験して私なりに感じたメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。とはいっても、どんな企業か、どんな職種かといった条件で変わるものだと思いますので、あくまでも「私のインターンシップ」でのはなしだとお考え下さい。

メリット

経験を通してスキルや知識を会得できる

 これについては前述していますが、「経験を通して」という点が重要だと思います。私のように就職活動を控えた人にとってはESや面接という試練が待ち構えています。この時に、「私はベンチャー企業で〇〇を経験し、〇〇がしたいと思いました。」というように経験ベースで話ができるようになれば、説得力も増します。また、経験を通して会得した知識は、グループディスカッションやディベートなどで自然に使いこなすことができます。グループワークなどでチームをリードすることができるかもしれません。

主体的に意見を発信する場が得られる

 自分が経験したことを共有したり、思いついたアイディアを誰かに話したり、自分から発信する能力は意外と鍛える場がありません。ゼミや研究室などの身近な人たちに自分の考えを伝えることはそう難しくないかもしれませんが、初対面の人や上司となると話は変わってきます。理系学生はグルディスが苦手という話をよく聞きますが、研究室で普段ディスカッションしているはずの理系学生が、グルディスになると苦手意識を持ってしまう点からも情報発信能力を鍛える場の重要性はわかるのではないでしょうか。

自分で考えたことを実践できる

 理系学生は、(実験準備→実験→分析→)というように自分の考え(仮説)に基づいて実験し、その結果をもとに仮説を修正するという経験があるかもしれません。こうした仮説検証プロセスをビジネスの場で実践することができます。自分で思ったことを発信し、共感してくれた人とチームを組み実践する。こうした中でコストに見合った結果が得られたのかなど、ビジネスならではの視点から検証する能力も身に着けることができます。

デメリット

不完全な制度

 いざインターンシップに参加してみると感じることが多いのですが、ベンチャー企業でもメガベンチャーでない限り社内の制度が不完全です。「週何日働くのか」「オンラインで参加することは可能なのか」などの就労規則も曖昧でした。さらに、「出来高」か「時給」かなど報酬に関する規則も不完全でした。こうした部分でも、「自分から〇〇ぐらい働きたい」「報酬は時給がいい」など自分から提案・交渉していくことも必要です。場合によっては、制度は不完全であるゆえに、いい条件・待遇にしてもらえることもあるかもしれません。

人材の入れ替わりが激しい

  「急に音信不通になった」「修士論文があるからやめたい」などインターンシップではよく人が辞めます笑 そして、新しい人もどんどん入ってくるので、教育コストもかなりかかります。チームのメンバーが抜けて、プロジェクト内のタスクが急に自分に集中してしまうこともありました。

土日祝日の活動が制限される

 当たり前と言われればそれまでですが、サービス業のアルバイトなどと違って土日祝日は基本休みです。学生にとっては、土日祝日こそ時間があるものの、それを活かしきれないのは痛いところです。オンラインで活動可能なインターンであれば、休みの日に多少動くこともできるかもしれませんが…。

 

長期インターンシップはどんな人におすすめ?

  ここまで、私が経験したベンチャー企業での長期インターンシップの話をざっくりお話してきました。「んで、結局どんなひとにおすすめ?」ということですが、以下のような人におすすめです。

  • ビジネスの経験や知識を身に着けたい
  • 専門性以外の強みを見出したい
  • 就職活動で話せるエピソードが欲しい
  • 飲食店や塾講師などありきたりなバイトが嫌だ
  • 起業のために人脈を広げたい

 話は変わりますが、ホリエモンの『多動力』に書いてあった、100万分の1の人になるという話が個人的に納得できたので、簡単に話したいと思います。今の社会では、誰しもがイチローのように特定の分野で100万分の1の人材になることはできません。それならばどうすればいいのか?3つの領域で100分の1になればいいのです。モノづくりが好きで、理系で・・・という人がメーカーを志望したとき、人事の目には逸材に移るでしょうか。そこに「ベンチャー企業インターンシップマーケティングの経験がある」という属性が追加されたら、理系学生の中では目立てるのではないでしょうか。

 

おわりに

 長くなりましたが、ここまで読んでくださった方ありがとうございました。本記事を通してベンチャー企業の長期インターンシップについて少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。(細かいエピソードなどは後日別記事で書いていきます。)

もしも、インターンシップに挑戦したい!と思ったなら、Wantedlyに掲載されているMeetupイベントに参加してみることをお勧めします。

www.wantedly.com

 

 

【現状を正しく整理】プロセスフローダイヤグラム(PFD)でヒト・モノ・データの動きを可視化する

こんにちは,サピエンスです.

曇った日曜日は,私がよく使う思考整理のツールのはなし.

 

 学生でも社会人でも,日々色々なタスクをこなしている.文書作成や表計算,発表資料の準備などなど.こうした日常的に取り組む業務は,(効率は置いておいて)量をこなせば,それぞれのやりやすい方法っていうのが確立されていくものである.

 「何か新しいこと」や「現状を改善すること」を考えているときには,まず現状を整理して理想状態からのギャップ(問題)を発見して...という定石がある.しかし,経営者やよほど毎日に新しいことを考えている人でなければ,文書作成のようにサクサクこなすことは難しいのではないか.そして,問題発見やその後の課題解決のクオリティを左右する「現状を正しく整理する」とうことが特に大事で,難しい.今回は,「現状を正しく整理する」フレームワークであるプロセスフローダイアグラム(PFD)のツボを私なりに紹介したいと思う.

 

 

フレームワークとは?

 「フレームワーク」は,学生には馴染みない言葉かもしれないが,社会人になればいずれ必ず聞くことになる言葉である(と思う).英単語としては「骨組み」という意味になるが,簡単にいうと「考え方の手順書」のようなものである.新しいことを考えたり,現状から問題をみつけたりするときに,「過去に同じことを経験した人」がいればよいのだが,なかなかいない.しかし,これだけ人間がいれば「似たような思考」は幾度となく繰り返されてきたわけであり,先人たちがそれを体系立てたものが「フレームワーク」である.多くはコンサルティング業界が提唱してきたものであると認識している.問題発見・課題解決のプロが使ってきた道具であれば信頼できるだろう.

 

モノ・ヒト・データの流れを可視化するPFD

 私は,就職活動を通してフレームワークに接する機会が多くなった.多くのフレームワークに接するなかで,私なりに扱いやすくしっくりきたものをたまに紹介していきたいと思う.第一回目の今回は,「プロセスフローダイアグラム(PFD)」である.ビジネスの世界というのは,何かと略したくなるもので,そうした略語を覚えるのは大変なのだが,PFDに関しては長いので私も積極的に略していきたい笑.

 PFDの本来の用途は,業務プロセスのフロー(流れ)をダイアグラムで可視化することである.コンサルティング業界での業務改善や,監査法人のシステム監査などでよく取り入れられている.理系としては,「道具は想定された使い方」で正しく使うものだと心がけてきた.しかし,正直使えるなら色々な用途で使ってしまった方がいい.結局,学問や業界などといった縦割りは人間が作り出した認識の壁に過ぎない.PFDの”正しい”使い方はネットで石ころのように転がっているので,そちらを参照してほしい.この記事では,PFDでモノ・ヒト・データの動きを可視化するって面白いってことを伝えたいと思う.

 私は今まで,非効率的な”足で稼ぐ営業”の改善を促すためにPFDで無駄を発見したり,承認がとんでもなくいい加減なプロジェクト管理体制の改善を促すためにPFDで...と馬鹿の一つ覚えのようにPFDを使ってきた.なぜかというと,誰が見ても分かりやすいからである.図やイラストなどは,文章ベースの説明書を違って,見やすく分かりやすい.情報量ではグラフ満載のスライドやアナログ情報の詰まったレポートには劣るかもしれないが,現状を認識把握するだけならばPFDで十分ということも多い.

 

PFDでバンドマンの集客を可視化する

百聞は一見にしかずということで,実際にPFDを見てほしいと思う.

 

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PFDの作成例

 ググれば分かるように,PFDには色々な書き方がある.自分に合ったものを選ぶ,もしくは自分で編み出せばいい.上記PFDの特徴は,「テキストとフロー図の二段構成」である.通常のPFDは,右側部分のフロー図のみであることが多い.テキスト部分があるのには,「作る人」と「見る人」双方にメリットがある.

作り手のメリット

  作り手にとっての最大のメリットは,「MECE」な資料であるかをチェックできるということである.行ってしまえば左部分は資料のアウトラインであり,この部分を読んでみて内容に過不足がなければ正しくフローを文章化できている.あとはこのプロセスフローを図にしてしまえばよい.(そうして,コンサルタントは改善点を見出し,監査ではガバナンスやセキュリティをチェックする.)

受け取り手のメリット

 上司や指導者といったポジションの人は,とにかく時間がない.情報量の多いテキストファイルを送ったところで読んでもらえない.そこで,アウトラインで全体を把握してもらい,細かいアナログ情報は本文で見てもらおうと考えるワケである.上記PFDでも同様である.とりあえず,全体の流れをテキスト(アウトライン)で把握する.しかし,テキストというのは往々にして相関や複数個の関係性がイメージしにくい.そこで,フロー図を見てもらう.フロー図は,縦割りが個人,グループ(部署),データベース,クラウドなどのユニットである.そして,横割りが時系列で,上から下に行くほど時間が進んで行く.こうすることで,各工程で誰と誰でやり取りがあるのか,どういう書類,データが渡されているのかを把握することができる.

 

【余談】バンドマンの仕事は演奏だけじゃない?

 上記フロー図は,私や私の周りにいるバンドマンの活動をもとにざっくりとした内容で作成したものである.私自身のスキル不足もあり,改善の余地は多く残されているのであくまで参考に.という予防線は置いておいて,バンドマンには普段の練習やライブ本番以外にも多くの仕事がある.バンドには,応募したライブハウスや過去に利用したライブハウスから定期ライブや企画物など色々なライブ情報がメールなどで送られてくる.こうした中から,スケジュールを組み,解禁日になれば各種SNSで告知して集客する.学生のバンドであれば,チケットのノルマなどで出演の可否をきめることもあるだろう.(個人的な意見:大抵のバンドは赤字かトントンだと思う.)そして,特筆すべきはライブハウスのアナログ具合である.チケットが未だに紙であったり,出演者名簿や集客の名簿も手書きだったりするライブハウスもある(実物のチケットがない場合もあるが).

 こうしてバンドマン,ライブハウス,客の動きを可視化すると,出演依頼は専用の会員制サイトに集約して,申込制にしたり,集客情報はGoogleフォームで管理してシートでライブハウスに送ったり(この工程すら自動化する?)とか色々アイディアが出てくる.(個人的には,こうした仕事に興味があるのでアングラ音楽業界のIT化推進を目指したオンラインサロンとか作りたい)

 

フレームワークは使い込む

 一度作ったPFDで終わりでは勿体ない.満足な発見があればそれで終わりでもいいが,得られる気づきは一つではないはず.縦割りのユニットの順番を見直したり,各フローをさらに詳細に細分化したりすれば,労力も増えるがアイディアも増える.また,次に作る機会があれば,前回の反省を生かしてレイアウトを変更したり,配色を見直したり,写真や動画などのメディアを活用したりしていけば自分なりのフレームワークができてくる.無理にPCや難しいツールなどを作る必要もない.紙とペンでも十分である(ただし,書き直すのはやや骨が折れるが...)

 基本的にフレームワークは,そのままの形で発表資料にはしない方が良い.あくまでも思考整理のために,自分で使うものである(プロジェクトチーム内での共有はあるかもしれない).そして,フレームワークから抽出したエッセンスをもとに読み手に寄り添ったロジックを組み立てていく.

 「現状の把握」には多くのデータを用いることもあり,処理して整理して分析して...とやっているとかなりの時間を要する.そこで,こうしたフレームワークを利用して効率的に作業を進めて,発表資料作成に時間を回していくのである.手に馴染んだフレームワークであれば,他者にはない気づきに到達することもあるかもしれない.ぜひ使ってみてほしい.

 

P.S.お気に入りのフレームワークの情報をお待ちしてます.

 

 

 

 

【崩壊する社会保障】お金がない日本とお金が欲しい大学生

こんにちは、サピエンスです。

ブログ開設後はじめての土曜日は日本の現状と就活生の思考の解離についてのはなし。

 

まず予防線を張らせてください笑

アウトプットの速度を早めるために、スマホから投稿しています。後日見やすくレイアウト変更や内容の修正をしますので、ご容赦ください…。

 

 

 

はじめに

就職支援をしていると就活生で話題になることは以下の三つが主である。

・業界や企業の将来性

・収入をはじめとしたインセンティブ

・ブラックかホワイトかなど労働環境のこと

 

なかでも収入のことを言う人が多い。

お金を稼ぐことはあくまでも「やりたいこと(目的)」があって、それを実現するための手段に過ぎない。しかし、みんな口を揃えて年収1000万以下は興味ないという。

そこで、高収入を目指す人に、何のためのお金かと聞くと、特にやりたいことは何もないこともザラ。一気に稼いで貯金して老後は遊んで暮らしたいと言う人もいる。

しかし、労働収入で得られたお金だけでみんなが思い描く安定した老後などおくれるのだろうか。

 

とある経済学者のはなし

今日は経済学の権威である某先生のお話を伺う機会があったので、その内容を少し紹介して、現実と就活生の頭の解離について考えをのべたい。

 

先生が仰っていたことを自分なりに要約すると以下のようになる。

・日本の潜在成長率が1%を切っている(アメリカは2%以上)

・過去20年間で日本の名目GDPは7%の成長(アメリカは220%の成長)

・日本の社会保障制度は間違いなく絶対的に崩壊する

・現在の社会を維持しようとすると消費税15%、再雇用は75歳まで認めることが必要である

・こうした将来を生き抜くためには自衛のための将来設計が必要になる

 

社会保障制度の崩壊

今回のメインではないので、まずは社会制度の崩壊を簡単に述べる。

(01/25 18:33 各情報のソースは後程調べて明記します)

 

安倍政権が最長の政権となった現在、景気を絶望するほど悪いと思う人はいないはず。しかし景気が良いか悪いかはあくまで"今"の話。大切な指標を一個紹介する。「潜在成長率」である。日本は現在1%を切っている。ちなみにアメリカは2%以上である。そして、この違いが積み重なって、日本の名目GDPは過去20年間で7%しか成長していないのに対してアメリカは、220%も成長している。GAFAの台頭などで薄々気が付いていたがここまで差が開いているとは思わなかったのではないだろうか。こんな状況では、収入の増加など見込めないのも納得がいくのではないだろうか。

 

次に日本の基礎年金に焦点を絞って話をする。社会人であれば誰しも社会保険料を払っている。しかし、現役世代の人達は、そのうち何%が自分達のために使われているか知っているだろうか。23%である。そして高齢者には45%が使われている。この事の是非は議論しない。そして、国民年金保険は20歳から40年近く払い始める訳だが、受給しはじめて何年間で払った分が貰えるのか分かるだろうか。約10年だそうだ。つまり最速で貰い始めれば、75歳以降はボーナスタイムに突入する。誰が聞いても日本社会を鑑みると、システムとして破綻しているのではないだろうか。

 

就活生のあたまのなか

 私は社会保障制度への不満不平を叫びたい訳ではないのでこの辺で止める。言いたいことは、私を含めこの現状を正しく認識している大学生・大学院生はどれだけいるのかと言うことだ。企業で貰える家賃補助が何万円か知っていても、社会保険料をいくら払わなければならないか知っている人は少ない。

  そうした状況下で、労働人口減少などが問題を深刻化させることは明らかである。社会保障制度を持続させていくためには、消費税15%、定年後75歳まで再雇用といった社会になっていくとの見方もあるなかで、終身雇用制度も崩壊するに違いない。

 

 就活支援をしていると志望動機で「ファーストキャリア」という言葉をよく聞く。そういうとき,自分は「次があるからファーストキャリアなのだ」と言う。確かに20代で65歳までキャリアプランを描くべきとは自分も思わないが、やりたいことがなく、ただお金を稼ぐことを目的とすることには危機感を感じる。大学に行けばやりたいことが見つかるはずと思って入った人の何割が実際に見つけられたのだろう。会社に入ってやりたいことが見つかる保証など何もない。だからこそ、就職活動を通してそれを見つけるべきなのだと自分は考えている。

  また、根拠のない大企業安泰神話は未だに根強いと感じる。大企業に骨を埋める気で働くことを一概に悪とは思わないが、そうした人達の中で、働き盛りに職を失い、路頭に迷う人が出てくることは間違いない。大切なのは、大企業か中小企業かベンチャー企業かと悩むのではなく、自分が将来したいことのために今何をするべきなのか、何をしたいのかだと思う。そして、労働収入以外に収入経路を確保し、リスクを下げていくこともあわせて必要になる。ここについてはいずれ自分の考えを話したい。

 

最後に

個人的な感想としては、今回経済学者の話をを伺い、現代の日本について改めて考えることで、普段感じている就活生への危機感が少し言語化しやすくなった。

社会構造の問題が浮き彫りになった現代の就活生こそ長期的な目線を持って、自衛のためのキャリアプラン、人生設計をしていく必要があるのだと強く実感した。

あと70日で社会に放たれるホモサピエンスのはなし

はじめまして

サピエンスと申します.

ホモサピエンスだと長いのでサピエンスで.

 

現在,都内某大学院に通いながら2020年4月の入社を待つ身です.

ありきたりながら情報発信の場を持ちたいと考え,本ブログ開設に至りました.

これからどうぞよろしくお願いします.

 

経歴

2014/4 都内某大学の工学系学部に入学

・高校卒業当時,ゲームやメッセージングアプリが本格的に流行

・高収入=理系のイメージで漠然と理系進学を志す

 

2018/3 都内某大学の工学系学部を卒業

・研究室配属当時,研究職を視野に本気の研究生活を送る

・学会のBanquetなど様々な交流を経て日本の研究界への認識を改める

 

2018/4 都内某大学院の工学系専攻に進学

・進学と同時に就職活動を水面下で開始

・メーカー業界を志望して就職活動を行うもほぼ全敗,適正の無さを知る

・HR系ベンチャー企業インターンシップを経験し,ビジネスの知識不足を痛感

 

2019/6 某コンサルティング企業に内定

2020/1 本ブログ開設

 

本ブログの内容

このブログでは,以下の3つを中心として色々な記事を書いていきたいと思います.

  • HR

 私は,ベンチャー企業NPOなど色々な団体・立場で就職支援に携わってきました.そんな私から見る大学生,大学院生の就職活動における諸問題や最近の学生の考え方などを伝えてきたいと思います.

  • Technology

 専門的なことではなく,産業や研究でもろもろ聞いた公開してもOKな話を書いていきたいと思います.

  • Other

 ベンチャーNPO,学生団体など私が経験してきたコミュニティーの話や,本を読んで思ったことなど,基本一投稿完結で書いていきたいと思います.大学生で本気の研究生活を送った場合どうなるのか,その時の裏話なども話していければと.

 

最後に

現在修論執筆真っただ中ですが,頑張ってほぼ毎日投稿目指します

レイアウトやデザインなどは余裕が出てきたら随時アップデートしていきます.

 

大学進学後,研究職を志して本気で研究生活を送っていた私が,わずか2年で専門就職の道を捨て,コンサルティング業界に内定した理由とは....

 

「残り70日で社会に放たれるホモサピエンスのはなし」にお付き合いください.

よろしくお願いします.